帰心矢の如しが理解できない男の 「正月に思う」の考。
帰心矢の如しが理解できない男の 「正月に思う」の考。
街の音は 常に かまびつしい。
でも 一年の内で ほんの数回 ふと都会の しじまに
季節の瀬を感じる時がある。
ここを ふるさとと 生れし者達は、正月と夏の帰省時に
「しゃんめえ、みんな、帰れ帰れや 生れ故郷へ。此秀人等 陛下の半は、
静かでいいやね⋯」
と強がってみせて、久方振りの 注戸著ばかりで 人肌の酒をなめ、
湯豆腐に ねぎぬたでもありや、 そんでもって ついでに
明けたばかりと言うのに 蕎麦でも手繰って
「どうでぇ、え・粋じゃあねぇか」などと負け惜むって寸法でやんす。
平成二十九年・酉年 今年も そんな 正月です。
ちょっと前文が長過ぎたかな。
御酉様に仰いだら ちょいと突っ走るには、いい⋯と言うか
最後の と言うか、 何しろ 〈チャーンス!〉と宣う。
だから 新玉の日の出に〈チャーンス〉と小さく 右手を握り呟いて
大きく溜息を付いたら
『振り向くなー!」
っと 故事成語を知り尽されて 鳥のように飛び立って行かれた
先輩諸氏の声が聞こえたかのような心持になった。
酒かなぁ〜
汲み置きの 若水で 久方振りに 茶をたててみたら、甘い!
そうか、まだまだ甘いか、
「解ったよ、皆さん、有り難うね。本年も御指導・御導きください」
と先輩諸氏に御願い申し上げた。
まだまだ精進の道を 一歩一歩 歩いて 参ります。
平成二十九年 布施明拝