今も心に・・・
今も心に⋯持ちつづけてはいるのだけれど。
「心に太陽をもて あらしがふこうと ふぶきがこようと
天には黒くも地には争いが絶えなかろうと
いつも心に太陽を持て」
フライシュレン詩・山本有三訳の有名なる詩です。
三鷹に、下連雀という地名があります。山本が、戦後まで暮らしていた所です。
ここで、あの《路傍の石》も書かれました。
三鷹生まれの私にとって、自慢のひとつでありました。
昭和32年、小学4年生の時に父の闘病が始まり、
私は、夕刊の配達をする、新聞少年になりました。
その販売店の店主から頂いたのが、
野花の表紙の、山本の《心に太陽を持て》だったと思います。
さて、今回の秋〜春コンサートは、六十代最後のツアーです。
何故なら、次ツアー中に、人生七十古来稀を迎えるからです。
私にとりましては、新たな旅立ちを前にした、言わば、三段跳びのジャンプの
踏み切りに、正に足を置こうとしている、もう一丁勇気を出す時のような気が
しています。
武蔵野の少年が、ぼんやり励まされた、この詩の後半、あまり知られては
いませんが、私の全てだったのかなぁと、いつも心に残っています。
『くちびるに歌を持て、軽く、ほがらかに
自分のつとめ自分のくらしによしや苦労が絶えなかろうと
いつも、口びるに歌を持て
苦しんでいる人、悩んでいる人には こう はげましてやろう
「勇気を失うな
くちびるに歌を持て
心に太陽を持て」」
平成28年 秋
武蔵野少年 布施明 拝