50周年の道を歩いています・・。
そんな新しいツアー『次の一歩へ」が9月から始まります。
秋から春へのコンサート・ツアー、毎年のこととは言え
新しい構成作りは本当に頭が痛い。
すらりっと50周年を過ごせればなんて なんと言う事もなく
決め込んでいたのですが⋯。
新曲「夢でもいいから」の発売と秋〜春コンサートが終った後の
八十八夜が過ぎた頃に50周年記念の特別公演を東・名・阪で開ける事になり、
すらりっとはいかなくなってしまった気配です。
それでは ちょっと昔話などをと思って
古いテープやら台本やらを出してみたらば
いやはやその時その年の 沢山の思い出が浮ぶ事浮ぶ事⋯。
それは若々しく少々稚拙で恥ずかしくもあるのだけど なんともいとおしい。
あの頃バックミュージシャンの方々も東と西では変わっていて、
名古屋辺りから西では 大阪のフルオーケストラ
居上博とファインメイツにお願いしていた。
リーダーの居上さんはトランペッターでソロをいつも吹いてくれた。
その音色は 彼の性格そのままに 本当に正しく
ゆとりをもった優しい響きだった。
今年の7月4日 ジャズのライブ・ハウス 大阪ビルボードに
何十年ぶりかで居上さんが訪ねてくれました。
車椅子でいらしたが お元気そうで「時々ライブもやってる」と仰っていた。
楽屋で私のジャズを お世辞とは思うが 褒めて下さり
「いつかまたやりたいねー」と笑顔でお別れした。
その 居上博さんが 8月14日に急逝なさった。
「いつかまた⋯」は叶わなかったが あれから40年以上経って
武蔵野から出てきたこの少年の歌をもう一度聞いて貰いたかった。
昭和40年代のあの楽しく切ない思い出を連れて行ったのだろうか⋯。
サヨナラ。
布施明